カテゴリー別アーカイブ: 施術のこと

2020.10.10-11 関根秀樹先生ワークショップ ご報告

古代の火を灯す。

音を奏でる。

刃を研ぐ。

即興で弓を作る。

大人が遊び、自らの手で出来ること、出来ないことを知る。

子供も遊び、時々、大人の姿を観る。

ともに火を囲み、手を動かし、季節の恵みを食す。

「これでいいのだ」と思える二日間。

火や音、遊び道具なんて、与えられるのが「当たり前」。そう思ってきました。

でも、見つけかた、取り出しかたを習得すれば、これらは生み出せるものに換わる。

こうして、それまでの「当たり前」が書き換わる瞬間が訪れます。

この瞬間に立ち会えるのは、遊びも施術も、同じかもしれません。

「触れて、みる」講座のご報告

TCアカデミーで講座を担当させて頂きました。

触れて、見る
触れて、観る
触れて、診る

色々な字を充てられる中で、今回は「触れてみる」。
「触れるを試みる」ことから、始めました。
ともすれば、「触れてもらう側」の変化に目を向けがちですが、「触れてみる側」の変化を観ておくこと、意外と大切です。
それを踏まえていく、初回でした。

そんな中、思惑とは別に、ご参加の皆さんのおかげで気づけたことが、一つ。
それは触れてみると、「応じる身体」とでも言えそうなものが、立ち現れてくること。

「応じる身体」っていうと、

外からの力に、応じる。返す、乗っかる、受け流す。
壊れれば、癒える。
暑ければ、冷える。
人の話が、聴ける。
景色に、心が動く。

例えばこんな応答が、丁度良く出来ているか。
触れることで、垣間見えそうです。

今後も、あくまで施術者の観点から「触れる」を試みるつもりですが、

ヒトの運動発達
暮らしの中の必然的な動き
踊り、祈りなどの文化的所作

などにもヒントを得ながら、歩を進めていきたいと思います。
壮大すぎてビビりますが、何だか面白そうじゃないですか。

「触れて、みる」講座のお知らせ

講座開催の機会を頂きました。2020年8月23日(日)午前、一般の方向けです。

まずは、触れてみる。そして、触れて、みる。

私自身が、これらの行いから受けた恩恵は、計り知れません。

たとえば「触れる」ことは、膠着状態にある所へ、「運動」の種を蒔くこと。そう思うと大切なのは、触れようとする側が、運動に適う構造や価値観を持てているか。

そこには、「触れる」という言葉に付いてきがちな、べっとりした重みは、生まれにくいと思っています。

あいにく手先は不器用なのですが、「触れる」という文化が、後世に続くものであるよう願う者として、何かのお役に立てればうれしいです。

http://tcacademy.jp/blog-entry-661.html

 

地球上での間借り生活について。 そして、なぜ「触れる」のかを問い直す。

こんにちは。だるま堂の中西です。
新型コロナウイルス流行によって、生活や心身の状態が一変した方も多いかと存じます。
大変な思いをされている皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。

多分に漏れず私も、自分の世界観や、興味の方向性を問い直すことになりました。
これらを問う時間は、だるま堂の運営を初め、日々いかに動くか(動かないか)決めるために、どうしても必要でした。

先に申し上げておきますと、今のところ、身近な人の命を失ったわけではありません。
けれど、もし今後、自分や家族の命を感染症で失ったとしても、この世界観と、興味の方向性は大きく変わらないだろう、という位の覚悟はできました。

その世界観というのは、「人間は地球上で、間借りして暮らしている生き物だ」というものです。
また、そこから導かれて、私の興味は「身体に触れさせて頂くこと。結果として、その人の世界の観え方が少し、豊かになること」の方へ向いています。

「人間が地球上で間借りしている」という観方には、「人間至上主義」との対比から、思い至りました。
この「人間至上主義」という表現は、岩田健太郎先生(医師、神戸大学病院感染症内科)から伺ったものです。

今年4月初めに、凱風館で、内田樹先生と岩田先生の対談を拝聴しました。
(対談内容は、雑誌AERA 2020年4月20日号に収められています。)

世界各地で、HIV、SARS、エボラなどの感染症と対峙してこられた岩田先生。
そのロジックはとても明快で、今回の新型コロナウイルス流行への対処についても、考えうる状況ごとに、示してくださいました。
感染症予防の見地から、ウイルスに対して無謀な接し方をしないために、とても貴重なお話でした。

また、具体的な対処法にも増して、卓見だと感じたのは、「私は人間至上主義です」という立場を明確にされたところです。
完璧な再現はできませんが、「人間の命が助かるのなら、(現実的には難しいけれど)全てのウイルスが死滅すればよいと考えている」という表現をされました。
また、「だから私は、息子と動物園に行って『パンダかわいいね』なんて言う自分は、偽善者だと自覚している」とも仰っていました。

その立場との対比が許されるのであれば、私には「人間が地球上で間借りしている」ように観えています。
そして、地球が何かしら平衡を保とうとする時、そこに間借りしている人間の命が、儚く失われることもある。
それも最終的には、受け入れようと思います。
地球が平衡を保とうとする現象は、ウイルスの発生に限らず、地震、台風なども含めて考えています。

繰り返しになりますが、これらの現象で、私は身近な人の命を失ったわけではありません。
実際に誰かが亡くなれば、悲しみに暮れると思います。

また、生きることを簡単に諦めるわけでもありません。
時に厳しく、時に穏やかな顔を見せる自然の中で、生きることを満喫したいと願っています。

このような自らの世界観にあらためて気づき、来し方を振り返ってみると、

平衡(バランス)とは?を問うため、
バランストレーナー 小関勲先生の「大人も子どもも育つヒモトレ」

逆境を生き延びるため、
アウトドア防災ガイド あんどうりすさんの「アウトドア防災講座」

自然と共に生きた先人の知恵を学ぶため、
和光大学 関根秀樹先生の「火と音をつくる」

そして、身近な自然である、自らの身体を知るため、
高橋透先生の「マニュアルメディスン講習会」

を開いています。
その時々で、出会いと直感に任せてお願いしてきましたが、振り返ってみれば、一本の流れに乗ってきたのだと分かります。

その流れの底にあるのは、「人間にとっての自然とは」「自分にとっての自然とは」という問いです。

その問いを絵空事としてではなく、自分の身体を以って求めていく道として、韓氏意拳と、武術家 光岡英稔先生の兵法武学研究会での学びは、今では欠かせないものになりました。
今後も、この興味の方向性は変わりません。

自分の仕事の軸が、マニュアルメディスンの施術であることも、変わりません。
それも、「症状を無くす」「身体を治す」という方向性ではなく(それらもプロセスや表面上の事柄としては大切ですが)、
「身体が変わること、また身体の観え方が変わることで、世界の観え方が変わる」、その積み重ねで「私たち一人一人の預かった生を全うする」という方へ向かいたく思います。

武術や施術が縁遠く感じる方にも、「世界の観え方が変わる」という点では、解剖学者 養老孟司先生の言葉はヒントに満ちていると思います。
例えば、スタジオジブリ 宮崎駿さんの対談『虫眼とアニ眼』(新潮文庫、2008年)で養老先生は
「自然環境というのは、ものすごいディテールで成り立っていて、いまの人間は、それを完全に無視して生きているということです。」
と仰っています。

この世界の瑞々しいディテールを、ピントを合わせて余さず受け取れる。
そのような身体と感性、観性を磨く一助として、私はマニュアルメディスンを用いたいと思います。

感染症が流行する世界では、もしかすると、「触れる」ことを躊躇う風潮が生まれるかもしれません。
それだけに、「触れる」ことの真価も問われそうです。
差し出し方にも工夫が必要でしょうけれど、これからも、「触れることで、世界の観え方が変わる」ような経験を目指し、研鑽を続けます。

高橋透先生「マニュアルメディスン講習会」第7回ご案内

高橋透先生(城南治療室)を神戸にお招きする、治療者向け講習会。
オステオパシーやアプライドキネシオロジー等の、徒手検査・徒手療法を学んでいます。
現在、検査法・治療法は多岐にわたりますが、それらが枝分かれする前の、基本とも言える内容です。
基本を理解・実践できると、応用的な技術の見極めや習得も、スムーズかと思います。

次回、全12回中の7回目。
過去6回で、徒手検査法、Occアジャスト、筋エネルギーテクニック(脊柱、骨盤帯、四肢)を習いました。
今後6回かけて、これらの質を高めていく予定です。
内容としては、ちょうど一区切りし、新しく参加してもらうのに良いタイミングです。
欠席回の内容も、動画や練習会で随時フォローしていますから、初めての方もどうぞ参加ください。

1. 日時
① 2020年3月28日(土) 13:30~16:30
② 2020年3月28日(土) 17:00~20:00
③ 2020年3月29日(日)  9:00~12:00

2. 会場
全日程:神戸市立東灘区民センター8階 和室
(JR神戸線「住吉」駅徒歩3分、〒658-0052 神戸市東灘区住吉東町5丁目1-16)

3. 受講費
1コマ受講:10,000円、 2コマ受講:18,000円、 3コマ受講:24,000円
(各回・各コマの内容に関連性があるので、できるだけ連続での受講をお勧めします)

4.定員 10名

5.お申込み
中西眞(nmako3@gmail.com)宛てに、氏名、職種と経験年数、参加希望コマをお知らせください。

 

2020年 年頭のご挨拶

あけましておめでとうございます。

日頃のご指導ご厚情に、心から感謝。
そして何より皆様にとって、よい一年となりますように。

今年は、自分の手で何かを作り出す、育てることの難しさを、きっちり引き受けてみたく思います。

徒手療法を介して、新たなバランスを見出す仕事。
身のまわりの物事を、丁寧に作り、育てる暮らし。

まずは鈍くさくても、やってみて、難しさを引き受けて、次の工夫へ。

どうぞよろしくお願いいたします。IMG_-f6kwme.jpg

マニュアルメディスン練習会 ご案内

高橋透先生マニュアルメディスン講習会の復習として、主に、

可動性検査、筋力検査、動作観察などの検査法
Occアジャスト、筋エネルギーテクニックなどの治療法

を練習しています。

1.日時:①2019年12月14日(土) 18時~21時 ②12月28日(土) 18時~21時  ③2020年1月11日(土) 18時~21時

2.会場:整体だるま堂(JR神戸線住吉駅5分、阪急神戸線御影駅10分、神戸市東灘区住吉本町2丁目10-3)

3.参加費:一回500円

4.定員:4名程

5.お申込み:
中西眞(nmako3@gmail.com)宛てに、参加希望日時をお知らせください(前日まで)。
各回、途中参加・退出可です。

 

高橋透先生「マニュアルメディスン講習会」第6回 ご案内

高橋透先生(城南治療室 院長)を神戸にお招きしての、治療者・セラピスト向け講習会。

オステオパシーやアプライドキネシオロジー等、マニュアルメディスンに基づく検査・テクニックを学んでいます。
次回、全12回中の6回目。第6回の主な内容は、四肢の筋エネルギーテクニックです。

復習しながら進んでおり、練習会も随時開いているので、次回から初めてご参加くださっても大丈夫です。練習会からのご参加も承ります。

1. 日時
① 2020年1月18日(土) 13:30~16:30
② 2020年1月18日(土) 17:00~20:00
③ 2020年1月19日(日)  9:00~12:00

2. 会場
日時①②:神戸市立東灘区民センター8階 会議室5
日時③:神戸市立東灘区民センター9階 音楽室
(JR神戸線「住吉」駅徒歩3分、〒658-0052 神戸市東灘区住吉東町5丁目1-16)

3. 受講費
1コマ受講:10,000円、 2コマ受講:18,000円、 3コマ受講:24,000円
(各回・各コマの内容に関連性があるので、できるだけ連続での受講をお勧めします)

4.定員 10名

5.お申込み
中西眞(nmako3@gmail.com)宛てに、氏名、職種と経験年数、参加希望コマをお知らせください。

 

可動性検査の練習

高橋透先生講習会の復習のため、練習会を月1~2回行っています。

講習会の記録はこちら↓
https://daruma7korobi8oki.com/2019/03/24/

昨日の練習会は、四十代のおっさん二人でした(写真はそのイメージで…)。

「可動性検査」を中心に、3時間。

「可動性」には、関節の可動範囲だけでなく、
相対的に位置関係を変える骨どうしの動きを、すべて含みます。

また、軟部組織の質感や運動方向も、あわせて診ます。
ですから、検査時間は短くても、情報量としてはそれなりに多くなります。

これに、筋力検査と四肢長、問診(目標設定含む)などを
組み合わせて、情報を優先付け、
その人の来し方(履歴みたいなもの)と、現状を知り、
今後の方向性について判断します。
このことを、僕はたぶん、十年前から知っていました。
けれど、「知っていることと、やれることは違う」と
思い知ったのは、ごく最近です。

生きているうちに思い知れて、よかったです。

治療者たるもの、それぞれの価値観のもとで、
皆さま、力を尽くしていらっしゃることと思います。
そんな中で、この講習会・練習会では、十数名の方々と
価値観をともにし、研鑽しています。

練習会も講習会も、まだ新しいお申込みをお待ちしています。

第4回講習会のご案内↓

高橋透先生「マニュアルメディスン講習会」第4回 ご案内


2019年9月28日(土)29日(日)、神戸にて。
(第3回までで、各種検査法、脊柱の筋エネルギーテクニックを学びました。
第4回は骨盤帯を扱う予定)

練習会については、神戸・京都にて随時。
中西宛てにお問い合わせください。

高橋透先生「マニュアルメディスン講習会」第4回 ご案内

 

過去3回で、徒手検査法、後頭下アジャスト、筋エネルギーテクニックを学びました。
第4回は、骨盤帯の評価、筋エネルギーテクニックの予定です。

カリキュラムの内容だけでなく、毎回、触る目的と精度、情報の解釈について、学びを深めています。
「目的なくテクニックを施すだけ」の講習会ではありません。

経験年数では一概に語れませんが、10~20年目の参加者が多いのも、テクニック以前を問う講習会だからかと思います。
自主練習会も開いているので、年数の浅い方々も、きっちり続いています。

継続受講の参加者が、あと数名増えても運営できそうなので、あらためてご案内させて頂きます。

1. 日時
① 2019年9月28日(土) 13:30~16:30 (13:15受付開始)
② 2019年9月28日(土) 17:00~20:00 (16:45受付開始)
③ 2019年9月29日(日)  9:00~12:00  (8:45受付開始)
※1コマだけのご受講も可能ですが、内容に連続性・関係性があるので、できるだけ連続・継続してのご受講をお勧めいたします。

2. 会場:
日時①②について:神戸市立東灘区民センター8階 和室
日時③について :神戸市立東灘区民センター9階 音楽室
(JR神戸線「住吉」駅徒歩3分、〒658-0052 神戸市東灘区住吉東町5丁目1-16)

3. 講習会費
1コマ受講:8,000円、 2コマ受講:15,000円、 3コマ受講:21,000円

4. 定員:各コマ10名

5. お申込方法:
世話人・中西眞(nmako3@gmail.com)宛てに、メールにて
(1) お名前、(2)参加希望コマ、(3)職種と経験年数、(4)ご所属(任意)をお知らせください。※参加経験のある方は、希望コマのみお知らせいただけば大丈夫です。