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原始の火を灯す2018

『焚き火大全』(創森社 編著)、『縄文生活図鑑』『新版 民族楽器を作る』(創和出版)、『刃物大全』(ワールドフォトプレス 共著)などの著者、関根秀樹先生。

関根秀樹

大学での学生教育もされる中、「プロダクトデザイン科の学生でも、大学入学までナイフを使った経験がない」
「火をおこそうとすれば、太い薪をライターであぶり始める」などの現状を危惧し、
ワークショップなどの機会で、古来の技術や知恵を教えてくださっています。

著書を通じて知る関根先生は、とにかく古今東西の文化に精通し、実践的。
そして何度か先生をお招きしている、バランスからだ塾・安田さんから聞く関根先生像も、
知性と野生を兼ね備えた姿で、魅力的でした。

そんな憧れの先生が岡山に来られるとのことで、行ってきました「原始の火を灯す2018」。P_20181124_133305_1.jpg

今回は、
・薪割り
・ヒモギリ式火おこし
・竹で飯盒を作って炊飯
・竹を削って竹ナイフ作り


などを経験しましたが、何しろ関根先生のスケールが大きい!

ちょっと先生から目を離している間に、竹で楽器やスプーンを作っていたり、
火打ち石で着火していたり、ヌンチャクを振っていたり…(笑)

普段、合気道を稽古している参加者には、合気道の技をかけてくださったり(先生には全然かからない)、
小指一本で吹っ飛ばしてくださったり…(笑)

関根先生の行く先々で、どんどんワークショップが始まり、驚きと笑いが沸き起こっていました。
どんな質問にも、文化的背景を教えてくださり、さらに実演までしてみせる。
まるで宝箱をひっくり返したような経験でした。P_20181124_105921.jpg

皆さんも経験あるかもしれませんが、地面に近いところで火や刃物を扱っていると、
だんだん気が鎮まり、時が遡っていくような思いがします。
そしてワークショップを終え家に帰り着く頃には、心地よい疲れがあり、夜8時には倒れるように寝床につき、こんこんと眠りました。
(ああいう深い眠りは、他でなかなか経験しません)

知恵の伝承、自分のルーツを知る、いざという時の備え、外遊びの楽しさ…
人それぞれきっかけは違うでしょうけれど、火や刃物は適切に、身近にあると、暮らしが豊かになると思います。

高橋佳三先生講習会 ご報告

高橋佳三先生をお招きしての講習会、「スポーツパフォーマンスを高める古武術 ~選手の能力開花をたすけるヒント~」。
おかげさまで盛会のうちに終わりました。P_20181118_115853_1

選手・学生の指導や治療に携わる方々が、お集まりくださった一日。
6時間のうち、ほぼ5時間は動きっぱなし、1時間は質疑応答で成り立つという、理想的なかたちとなりました。
参加者の皆さまからの積極的な投げかけと、あらゆる質問に、体認を以って応えてくださる高橋先生のおかげです。

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このような講習会では「動きのコツ」「指導のコツ」といったHow toを求められがち。
しかし、高橋先生がそんな話をするわけもなく、

「走る」ためには「歩く」、「歩く」ためには「立つ」「座る」ができているのが前提。
「動ける」状態にした後、動かさないことで「働かせる」。
「支える」経験がないまま自分の体を支えるなんて、無理。
「集中すべきところに集中していたら、時間が経っていた・回数ができていた」という練習。
自分の普段歩く姿を、学生が見ている。

などの普遍的な事柄を、参加者それぞれが経験できるように、導いてくださりました。

内容自体もさることながら、先生が今回の内容に気づき、ご自分の体で練ってきた過程を思うと、
「学び方の学び」としても、為になる一日でした。P_20181118_125823_1.jpg

休憩中も、スポ.ラボの亀山顕太朗先生と野球の話をし続け、
懇親会でも、スポーツにおける「育成」と「選抜・淘汰」の違いなど話してくださった高橋先生。
ああ本当に、スポーツ、武術、人が好きなんだなぁと感じました。

高橋先生、ご参加の皆さま、よき一日をありがとうございました。
またご一緒できますように!

まるだっこの会 ご報告

11月8日の、まるだっこ。

お母さんと4か月のお子さん、
第三子を出産予定のお母さんと、2歳のお子さん
二組での開催でした。

実技では、素手での抱っことおんぶを確認。
そして、スリングでの抱っこと、ベビーラップでのおんぶを経験して頂きました。

お母さんお二人とも、「スリングいいなー」というご感想。
第三子を出産予定のお母さんは、これまでもラップやおんぶ紐を上手に使ってこられましたが、スリングの良さをあらためて感じられたそうです。
2歳のお子さんも、満足そうに抱かれていました。まるだっこ20181108

もう一人のお母さんは、おんぶそのものが初めて。
今どきは、ご自分が出産するまで、おんぶでの子育てを見る機会も少ないですよね。

そのような時、大切にお伝えしているのは、素手でのおんぶです。
ラップをかっこ良く使いこなしたい、という気持ちは、よーくわかります。
けれど、素手でのおんぶが充実していないと、「上手くできた時の感じ」が分からないまま、になりかねません。

今回も、素手のおんぶ→ベビーラップを使って人形でお試しおんぶ→ベビーラップでお子さんをおんぶ
と段階をふんで、丁寧に練習しました。P_20181108_114545

初めはドキドキされていたお母さんですが、慣れてくると力みが取れて楽しそう。
そして何より、お子さんが終始ニコニコ、うれしそうでした。

「ご自宅でも最初のうちは、担ぎ上げるところだけ、誰かに見てもらってください」というアドバイスをさせていただき、安全を期しました。
翌日、おんぶで家の周りを散歩してみて、楽しかったとご報告いただきました。

丁寧にお試しくださり、ありがとうございました。

「理学療法士が知っておきたいヒモトレ」ご報告

山口市にて、「理学療法士が知っておきたいヒモトレ」セミナーの講師を務めさせていただきました。
恩師・比嘉竜二先生から紡がれたご縁で、山口のお仲間が招いてくださいました。
前日に藤野貴之先生のご案内で訪れた、朴の森・鍵山記念館の余韻も残り、「凡事徹底」を通奏低音としての一日。

まずは、ヒモトレの導入
次に、医療職としてわきまえておきたいヒモトレ評価法
そして、ヒモトレでの送り手・受け手の感受性の変化
最後に、ペアヒモトレ

という、一度は通してお伝えしたかった内容が、実現しました。

理学療法士がヒモトレを知るなら、患者さんに、間違いなく、高い確率で良い方向へ変わっていただく視点を、持たないといけません。
(と、ヒモトレ以降の出会いから僕が教わりました)
また、あるヒモトレで良い変化が出るなら、手技や運動療法など、「より良い」すべを模索することを、怠りたくありません。FB_IMG_1540772139380

ありていに言えば、「ヒモトレに頼る程度、ヒモトレで左右される程度の施術しかできないのなら、施術者が大いに自省せなあかん」。
これは今、言ってて震えます。けれど、矜持は持たねば。FB_IMG_1540772174122

FB_IMG_1540772189962そして、ヒモトレの良さ、面白さはそれに留まらず。
たとえばご家族の中に、介助者と要介助者の役割がある場合、
お互いにヒモトレをすることで、介助負担が軽くなる、関係性に変化が生まれることが、よくあります。

セミナーでも、施術の送り手がタスキやお腹ヒモを巻くと、受け手の安心感や心地よさが変わるのを、経験してもらいました。
(てことは…、という自省を忘れずに…ですね)

そして最後のペアヒモトレ。
一日学んできた疲れや緊張感も、ほわっと緩む心地よさでした。
上司と部下のペアも、一緒に巻かれると距離感が変わる面白さ。FB_IMG_1540772217163

使い方の多様さは、言い始めるとキリがないですけれど、ヒモトレから観える価値観、医療職としてヒモトレから学べることなど、
お伝えしたいことは、おおよそお渡しできたと思います。
あとは、ご参加の皆さんが、それぞれの場で実践や気づきに繋げてくださることを、楽しみにしています。

今回はことさら、この時・この場に導いてくださった皆さま、当日出会った皆さま、その先にいる皆さまのお顔が目に浮かんでいます。
ありがとうございました。FB_IMG_1540730124306.jpg

まるだっこの会 ご報告

10月14日(日)午後の、まるだっこの会。
お母さんと1歳0ヶ月のお子さん、一組にご参加いただきました。

お母さんからは、「おんぶがしたい」というご希望を伺いました。
おんぶには、親子で同じものを見られる(例えばおんぶしながらお料理していると、子どもが野菜の名前や包丁の扱いを勝手に覚えてしまうことも)、
子どもを寝かしつけながら家事ができる、などの良さがあります。

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今回は、「おんぶしようとすると子どもが嫌がってしまう」というお声から、さらし、おんぶひも、へこおびを一緒に練習。

日頃お使いだったさらしの素材が、途中から伸びる素材に切り替わっていたため、安全性やお子さんの安心感への影響について、お伝えしました。
おんぶひもでは、普段のおんぶの位置が下がってしまう原因を掴めたようで、すっきりされたお顔が印象的でした。
へこおびの応用範囲の広さや、その時々のお子さんの様子に合わせた微調整なども、すいすいと吸収されて、こちらが嬉しくなるほど。

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色々な発見、経験が楽しいご様子で、「子育てが楽しくて!」と話されていたお母さんの、笑顔が素敵でした。

「子育てが、正直言うと大変で…」という方も、「不器用なんだけど大丈夫かな」という方も、もちろん安心して、いらしてくださいね。

11月14日(水) 10時30分~12時は、おかげさまで満席となりました。
11月25日(日) 13時30分~15時、まだ空きがございます(二組)。まるだっこ201810-2

だるま園10月「つられて動く」ご報告

テーマは「つられて動く」。大人13名、子ども5名で楽しみました。

事前に「大人がちょっと多いかな」と思ったのも杞憂に終わり、
子どもは子どもで、さっさと場に馴染んでしまい、
「子どものような大人」たちも、好奇心まる出しで動き回る、
という場が出来上がりました。

今回は、準備運動から伏線があり。
「石鹸で手を洗う」仕草を、直立のままやってみる/仕草につられて立ち位置も変えてみる。
「波につられるワカメのように」動いてみる。
なんてことを試しました。

だるま園10月1

ワカメのあいだ、大人も子どもも、遠慮なく「ちゃんと」変な形になってくれて、ひと安心。

そして、今回も転がってみる。
自分から転がるのではなく、指先につられて転げる。
風船の形につられて、転げる。

さらに、自分だけでしゃがむ/つられてしゃがむの違い、など。

だるま園10月3

もちろん、ひもトレ祭で仕入れてきたペアヒモトレも、さっそく取り入れ、
「離れると、ただそれぞれの動き」、「近過ぎると、邪魔される動き」、
その間にある「ちょうどいい距離感での動き」の不思議さに、やっぱり笑ってしまいました。

ペアヒモトレの応用として、おんぶヒモ。子どもが子どもをおぶって走る場面もあり。

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ペアヒモトレで賦活された「相手の背中に触れた刺激が、自分の背中でわかる」感じ。
それを残したまま、目をつむった人を導いてみたり。

だるま園10月5

「つられて動く」をきっかけに、色々な経験をしました。

ここで一つ、参加者のご感想を。

「…頑張ったり、ふんばったり、やってやろうと作為的になることを手放すと、「あら!?できてる!」の連続!
ひっぱるのではなく、後からついていくのでもなく…
するのでもなく、させられるのでもない…別の世界。」

だるま園で大切にしたい事を汲み取っていただき、只々感謝です。
「あら!?できてる!」の経験がまずあって、それを疑わずに進むもよし、「…てことは」と遡って楽しむもよし。
いずれにしても、まず初めに、心が動く経験あること。それは大切にしています。

今回のテーマは、より深めていきたくなりました。今後、また何らかの形で出てくると思います。
次回のだるま園。屋内編は、2018年11月25日(日) 9時30分から、同じ東灘区民センターにて。
ピンときた方はぜひ、ご一緒しましょう。

5歳の女の子から教わったこと

昨日診せて頂いた、5歳の女の子。

症状としては、両手の中指と左手親指の、バネ指(指を握った後、伸ばしきるのが難しく、クリック感がある)。
1~2歳から、その傾向はあったそうです。
手術を勧められた経験もありますが、親御さんの希望は、「完全に治らなくていいので、うまく付き合いながら、成長に合わせて様子をみたい」。

手を診せてもらうと、確かに手根骨・中手骨は、おっしゃる症状が出そうな配列。
遊びがてらジャンプしてもらうと、頭部と手首(特に左)は、反る方への緊張が強まりやすい。
右骨盤隔膜、両横隔膜、左後頭下の可動性低下。概ねそれと一致する筋力低下。

このような所見だったので、良くなる可能性を感じ、触らせてもらいました。
後頭下を触り始めると、それまで賑やかだった女の子が寝息を立て、手足をピクピク動かしているので、治る力に感動しつつ5分ほど、数か所を施術。
施術後、可動性と筋力の変化が見て取れ、バネ指の症状もなくなったので、今後の方針を親御さんと相談しました。

この度は幸い、親御さんも治療者なので、先のような所見とともに、ヒモトレの鉢巻きと胸ヒモ(可動性の落ちていた高さに)をお伝えしました。
家にいる時・眠る時に、気が向けば巻くという程度で、2週間ほど経過を観ることにします。
親御さんの観る目が確かなのと、またお会いできるのがわかっているから、できる選択です。

今回、このようにご報告するのは、「こんなに上手く対処できて、すごいだろ」と言いたいわけではなく(むしろ書くほど、未熟さが浮き彫りになって恥ずかしい)。
「評価・検査をすると、自分の手におえる状態か否かがわかり、自分が手放して良いこともわかる」という経験が、あらためて新鮮だったのです。

評価・検査という言葉自体、治療者でなければ、馴染みがないかもしれません。評価といっても点数付けをするわけではなく、体の特徴を見出し、関わるうえでの優先度を付けるような過程です。
僕が知っている治療者は、(言語化するか否かは別として)この過程が精密、かつ、教育的です。
評価してもらう段階で、体を通して、「こっちに動くと良いよ」「こっちへ行ってみたら、どう?」というメッセージを感じます。

それは一つ、治療者を選んで頂く尺度になると思いますから、どうぞ頭の片隅に置いてください。
我ながら「どの口が言うんじゃ」と思いますが、自戒を込めて…