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小西貴先生講習会『「選ばれるセラピスト」の条件』ご報告

小西貴先生(理学療法士、医療法人快生会本部事務局)をお招きし、講習会を開きました。

『「選ばれるセラピスト」の条件 ~徒手療法と運動療法の磨き方~』2回シリーズの第1回。

「目の前の相手にどれだけ応えられるか。」
これを自分に問い続けることで、自ずと臨床推論や手技が磨かれていく。
そんなサイクルを回し続けている小西先生から、療法はもちろん、「学び方」も学んでしまおうという試みです。

 

 

クライアントから信頼されるために、

・相手の”当たり前”(価値観)を十二分に把握して接すること
・関わる”目的”、”成果”、”期間”をしっかりと説明できること
・即時効果を出せること
・持続効果のために、あらゆる手段を検討し続ける姿勢をもつこと

という、すがすがしいほど明確な「条件」を示していただき、始まった講習会。

題材として、いくつかの徒手療法、運動療法を例示しながら進めていただきましたが、これらを題材に選んでくださった意図も、「クライアントをよりよく知る」という一点に集約されていて、ありがたかったです。

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個人的に印象に残ったこととしては(小西先生が伝えてくださった通りではないですが)、

・筋骨格系への評価・介入が的確にできると、「生活レベルの運動負荷が、その人の体にとって好ましいかどうか」推察しうる。
・それが推察できると、持続効果を期待する場合の、介入やアドバイスが適切になる(運動負荷をかける前に、代謝・栄養状態に関わる必要性が高いことも)。
・同じく筋骨格系への評価・介入が的確だと、「心的ストレス」「内臓体性反射」の影響も、推し量れる。問診の展開が好ましくなる。
・介入結果として、「検査上の変化なし」「検査上は変化するがパフォーマンスに変化なし」「パフォーマンスは変化するが自覚的変化なし」という情報が、次の展開へのヒントになる。
・そのためにも、介入刺激は適切であることが必要。

その人が「なぜ」そのようになっているのか?
知っていくための糸口を、たくさん頂きました。

さて、今回の講習会を皮切りに、近畿圏の仲間と、定期的・持続的に学ぶ場を設けていく予定です。

小西先生の『「選ばれるセラピスト」の条件 ~徒手療法と運動療法の磨き方~』第2回は、2019年3月3日(日)午後。

また、山形から高橋透先生をお招きし、マニュアルメディスン講習会を行います(以降、奇数月に継続予定)。
2019年3月23日(土)午後~夜、24日(日)午前です。

詳しくは、下記リンクにてご案内しています。

https://daruma7korobi8oki.com/category/お知らせ/

ともに研鑽できれば幸いです。

ヒモトレをお伝えする時、大切にしたいこと

「ヒモトレ」というのは、小関勲先生(バランストレーナー、韓氏意拳教練)が提案されている方法、ないし価値観です。

やり方は単純で、「ヒモに体の一部をあずけて動く」、「ヒモを体にゆるく巻く(添わせる)」のどちらかです。

それだけでも、体の状態や、動きの質が変わります。

動く時の環境、動く時の前提条件が変わるので、それは当然、変わります(ヒモでの刺激が必要十分かはさておき、何らかの刺激があれば生体は反応しますものね)。

その時の、その人にとって、好ましい変化が起こることも多いですし、「ヒモ一本でこれだけ変わるんだから、私の体って面白い」という糸口にもなります。
小関先生はヒモトレの説明をする時、「体の色合いを観る」、「体の経験を通じて、自分との距離感を知る」といった表現を使われます。

僕自身、小関先生から「自分の体の面白さ、色合いや距離感を観る面白さ」という糸口をもらい、自他の観方や稽古に反映させてきました。

頭や意識が先行し、体(という、本来コントロールの及ばない自然)をもコントロールの対象と捉えがち(そして結果、余計な苦しみも抱えがち)な昨今、体を通じた経験や、体を観察するという立ち位置は、とても貴重です。

そのような文脈で、ヒモトレはとてもおすすめです。

 

ただし、何らかの療法に類する文脈でヒモトレを捉えるなら、それなりの注意が必要だと僕は思います。

ヒモトレはその時、その場で好ましい変化を経験できることが多く、一見「産みの苦しみ」が少ないので、(その呆気なさが良い方にも転じるし)悪い方にも転じる可能性があります。

悪い方に転じるというのは、たとえば「症状などの不都合から学べたはずの自分の傾向に、気付かないまま経過してしまう」ことです。

このことを、つじ鍼灸院の辻敦志先生が再三、提言してくださっています。

 

たとえば「手を挙げにくい」という不都合があったとして、ヒモを背中に(タスキ状に)添わせると、手を挙げやすくなる場合があります(よくあります)。

その経験から、「手を挙げる時に背中が参加していなかったんだな」という学びがあれば、ヒモトレの面白さが広がっていくと思います。

しかし、「手を挙げやすくするには、タスキがよい」と解釈してしまうと、自分の傾向に気づかないまま、目的を失った方法だけが残り続けてしまいます。

これでは、もったいないです。

「やってりゃ良いことあるだろう」なんて、ご利益を期待しても、体は応えてくれない。それどころか、よりバランスを崩すこともあります。

 

また、何らかの療法に類する文脈でヒモトレを捉えるなら、気を付けるべきことが、もう一点。

それは、「はたしてその刺激が、必要十分で、目的に適っているか」について、(提供する側が)自省することです。

これはヒモトレ特有のことではなく、インソールやテーピング、マウスピースなど、(本当は徒手や運動も)何らかの刺激を療法として扱う場合には、常に必要だと思います。

 

「じゃあ、あなたはどう扱っているのか」と問われれば。

僕自身は、療法に類する文脈でヒモトレを捉える時には、

・方針の説明にあたって、症状部位と他部位との関係性を知っていただくために使う(これは徒手検査の精度が上がれば、検査だけでできるはず)

・担当患者さんのご家族にヒモトレを伝え、介助方法として役立ててもらう(これができるのは本当にありがたい)

・次回の施術までの間、より好ましい状態が保てるように、セルフコンディショニングとしてお伝えする(その場合、使い方や観察のポイントも含めて伝えます)

このような扱い方です。(施術の手段としては一切使っていません)

どうでしょうか。

正直、ちょっと「面倒くさい」話ですよね。

けれどどんな方法にせよ、療法を謳うのなら、「より好ましい変化を及ぼし、より納得のいく生(死)をお手伝いする」という約束を交わしているのですから、提供する側は常に自省が求められて、当然だと思います。

さらに申し上げるなら、自省している「つもり」ではなく、自省するための、明確な規範(たとえば精確な徒手検査)が必要です。

 

とはいえ、はじめに述べたとおり、僕が小関先生から受け取ったヒモトレの面白さは、「体を通じた経験」や「体を観察するという立ち位置」にあるので、必ずしも、療法に類する文脈でヒモトレを捉えているわけではありません。

むしろ、僕が講習会などでお伝えする場合は(理学療法士向けなど特別な場合を除いて)、そちらの文脈を強調しているつもりです。

たとえば、たすき掛けを「良い」と感じ、身支度としていた時代の人たちは、どんな体の経験・感性だったのか。

そんなことに興味を持ち、今の価値観が全てではないと知れたら、体と一緒に過ごす時間が、より豊かになると思っています。

 

こんなふうに、僕がヒモトレをお伝えする時には、伝える側・受け取る側がお互いに、どのような文脈で捉えているのかを大切にしておきたいです。

誰に求められたわけでもないし、これで上手くいくのかも分からないけれど、「よきもの」のよさを損なわないように、と思います。

「だるま園×アウトドア防災」ご報告

あんどうりすさんをお招きし、アウトドア防災講座を開きました。

りすさんは、24年前の阪神淡路大震災を尼崎市で被災されています。

その体験をもとに、アウトドアには「自分で自分の命を守る知恵が詰まっている」と感じて始め、その魅力にのめり込んでいったそうです。
また、出産・子育てを経て、自分の命を守るだけでは足りないことや、当時の防災・減災のアドバイスには、被災体験や実生活とかけ離れたものが多いことにも気づいたといいます。

このあたりの経緯や、アウトドアの知恵を防災・減災にどう役立てるかについては、『りすの四季だより 家族の笑顔を守る暮らしの知恵』(新建新聞社,2017)に詳しいです。P_20181129_165529_1

現在は東京にお住まいで、年間100回以上の講演をされる、りすさん。
今回、1月17日に神戸市内の企業と小学校でご講演なさるとのことで、前日に、だるま園へお招きできました。

全国で講演していると、
「神戸は一度大きな地震があったから、もう起こらないです」
「うちの地域は、小出しに地震がきているから、大きな地震はないと思います」
などの、不思議な(?)ご意見も聞くそうです。
(おっしゃるお気持ち、分からなくはないですね)

けれど実際には、地震だけを取り上げてみても、日本に200以上ある名前のついた活断層は、今後いつ大きく動いてもおかしくない、とのこと。
また日本は、過去の災害時、「被災者の我慢」を前提に乗り越えてきた(たとえば、避難所が設置されないまま体育館で生活するなど)ため、傾向として防災・減災の知恵の蓄積が少ないそうです。
(避難所運営について国際基準があること、僕は知りませんでした)P_20190116_140740.jpg

「アウトドア防災」についての、りすさんの怒涛のお話(めっちゃエネルギッシュ)は、実際に聴いていただくか、本を読んでいただくのが絶対におすすめです。
ご参加の皆さまの反応が大きかった話題をいくつかあげてみると、

・地震で揺れている最中は、動けないものと思え(揺れた時のポーズを決めていても、とれる可能性は低い)
・そのぶん、建物の耐震性、家具の固定、保険加入などは、日頃の備えが大切
・残念ながら、災害時の性犯罪被害は起こっている(被害者の服装は関係なし。高齢女性や男性が被害にあう例も)。
・災害時、トイレの水は流さない(水が流れても、配管が壊れていたら漏れるor溢れるだけ)
・「1時間100ミリの雨」の重大さを知る、子どもが避難できる水嵩を知っておく
・テントやダウンウェアの蓄熱の原理を知る(車中泊や、ダウンウェアを誤って使うと寒い)
・「バーベキューをしないキャンプ」で、星空を眺める時間をもつ。

これらの話題一つ一つに、具体的な学びがあるのですけれど、「対策をおぼえよう」とか「対応例に○×をつけよう」というわけでは、ありません。

むしろ、自然相手の状況判断に「○か×か」はないので、日頃から、ものごとの仕組みに遡って考えるくせや、自分のおかれた状況を知る習慣をつけておくのが大切です。

・布一枚での抱っことおんぶ
・古武術介護を応用した救助例
なども紹介していただきましたが、これらも、重心位置や、体にかかる力の配分などで、わかりやすく説明してくださりました。

防災・減災を、日常とかけ離れたことと捉えてしまうと、つい後回しにしてしまいます。
日頃の考え方や、体の経験として習慣づけておくと、いいかもしれませんね。
ご参加の皆さまも、それぞれの琴線に触れたことを、持ち帰ってくださったようです。
ありがとうございました。

整体とアウトドア、そして防災・減災。
一見、かけ離れてみえるかもしれませんが、
「いかなる状況にあっても、その人らしく生を全うする」
という意味で、僕は近しいものを感じています。

これからも折りに触れて、今回の復習会や実践を続けていこうと思います。
あんどうりすさんをお招きする機会もまた作りますので、ご関心が湧いた方は、ぜひ次回お越しください。

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2018年 10大ニュース(備忘録)

(1)3月、合気道弐段の允可とともに、凱風館助教補を拝命しました。

おかげさまで、今年は自分を省みる時間が増えました。
内田樹先生が常日頃、「教えることが最良の学びになる」とおっしゃるとおり。
曖昧なまま放っておいた手順や、体術の前提となる立ち方・触れ方、後回しになりがちだった武器の稽古など。
人に伝えるとなって初めて、自分の未熟さを、普段から明るみに出す気になりました。
(これまでも隠しているつもりはなかったので、それは無自覚の怖いところ)

この時期、「自分の未熟さが知れたらラッキー」という心構えになっていたから、高橋透先生に出会えたのかも。
タイミングとは不思議なものだと、あらためて感じます。

(2)4月に、山形・城南治療室の(韓氏意拳教練でもある)高橋透先生とお会いしました。

辻先生がご紹介くださり、つじ鍼灸院にて、透先生の診立てと施術を体験しました。それはもう、圧倒される経験で。
検査で得ている情報量、情報を統合する的確さ、過不足のない手技、患者さんの能動性を損なわない態度…
僕が大切にしたいことを全て、はるか高い水準で体現されている。
その後、定期的にご指導いただくようになり、研鑽の方向性と質を変えたいと思ったことも、開業のきっかけとなりました。

(3)8月、西日本豪雨災害地域でのボランティアに参加しました。

凱風館ゆかりの崎山さんが、広島でボランティア拠点を立ち上げられたので、お手伝いに。十数年ぶりのボランティア活動でした。
今年は、人にとって「天災」続きだったので、
「人為の及ばない自然の中で、いかに生きるか」「いざという時に、自分はどういうふるまいをするのか」
否応なく考えさせられました。

お手伝い自体は、土砂の運び出しや掃除、地元の皆さんととれたて野菜を食べるなど、穏やかなものでした。
ご一緒した小児科医のご夫婦と道中、昨今の子育て事情、今後の支援の可能性など、お話できたこともありがたかったです。

(4)10月、「整体だるま堂」を開業しました。

一念発起という実感もなく、物件を見た瞬間に「なんだか懐かしい場所」に思えて、開業を決めました。
前勤務先である御影ごきげんクリニックから近く、担当患者さんがこちらに移るにもかかわらず、快く応援してくださった久綱院長に感謝。
また、公認会計士の鯉田先生、ホームページ作成については佐本さんにも大変お世話になりました。
凱風館というコミュニティなくしては、実現しなかったと思います。

開業してまだ3ヶ月、これから色々あるでしょうけれど、患者さんに良くなってもらう研鑽さえ続けていれば、何の心配もいらないと分かりました。
患者さんが、ご家族や友人を紹介してくださるのが本当にありがたく、身に沁みます。

(5)10月、山口にて理学療法士向けのヒモトレ講習会をさせていただきました。

ヒモトレには、いくつかの文脈や側面がありそうです。
その一面として、理学療法士が扱うなら、「どのような検査をふまえて、なぜヒモトレを選ぶのか」を自覚した方がよいように思いました。
(とはいえ、それが唯一のヒモトレのあり方とも思っていません)
この機会に、自分なりに整理できてよかったです。機会をくださった山口の皆さん、ありがとうございました。
数学教師であり、朴の森・鍵山記念館を管理なさっている藤野貴之先生とお会いできたのも、必然を感じるタイミングでした。

(6)10月と11月、小学校での保健活動をお手伝いしました。

公立小学校2校で、「すこやかな成長・けがの予防に役立つお話と運動指導を」とご依頼いただきました。
昨年に続いて依頼くださった先生、転任先からお声を掛けてくださった先生のおかげ。
学校ごとの特色を知り、関心をもってもらえるだけのお話、なるべく実情に合った運動、提案した運動を定着させるための工夫など。取り組みの中で、色々と鍛えられました。
このあたりは今後、一対一での施術の精度が上がるほど、一対多の場面でも、よい工夫ができそうに思います。
子ども(や、子どもに関わる大人)の足しになるような取り組みを、これからも続けてまいります。

(7)11月、関根秀樹先生「原始の火を灯す」での火おこし。

前々からお会いしたかった、関根秀樹先生(和光大学非常勤講師)は、縄文人がそのまま今の時代に現れたような、知性と野生のかたまりでした。
「原始の火を灯す」ワークショップで火おこしや竹細工を経験し、この冬は火おこし、焚火を楽しんでいます。

また、同じく11月に、児童文学者・島式子さんのご縁で伺った「子どもの本専門店 メリーゴーランド」の増田喜昭さん。
12月に「フットボールと武術をつなぐ」でお会いした、サッカー指導者・池上正さん。
この方々にも、知性と野生の両面を感じました(子どもを軽んじないという共通点も)。
かっこいい大人に出会えた一年でした。

(8)12月、小関勲先生とのだるま園「大人も子どもも育つバランス」。

バランストレーナー・韓氏意拳教練の小関勲先生。
凱風館での講習会にお越しいただいた後、幸運なことに韓氏意拳個人指導、だるま園でのコラボ講習会が実現しました。
そもそも小関先生に始まる一連の出会いがなければ、大人と子どもの遊び場「だるま園」を始めることは、ありませんでした。
ご参加の皆さんに小関先生を知っていただけたこと、そして小関先生に、今の自分の取り組みを見ていただけたこと、うれしかったです。

ちなみに、だるま園は「大人と子ども」を対象にしており、「親子」向けを謳っていないのですが、まだまだ「親子」講座と思われがちです。
「大人みんなで、子どもみんなをみる」。これから、やり甲斐があり、楽しみなところです。

(9)いつの間にか、たくさん世話人をさせていただきました。

藤田五郎先生(香川県立善通寺養護学校教諭)「関係の中でセラピーを紡ぐ」
高橋佳三先生(びわこ成蹊スポーツ大学教授)「スポーツパフォーマンスを高める古武術」
有田亜希子さん(練心庵ボイトレ講座担当)「声の地図を作る」
そして、先述の小関勲先生。

われながら、センスのよい人選かと思います(笑)
自分が間近でお話を聴きたい先生方、大切な人とお繋ぎしたい先生方をお招きしているうちに、こんなことになりました。
こうして見ると、すべての先生方が、合気道凱風館と韓氏意拳にご縁をお持ちですね。つまり、そういうことです。

(10)今年、初めて10大ニュースを振り返ってみましたが、難しいものです。

どうしても、一つの出来事としてまとめきれない経験や、「ニュースにはならない」日常を支えてくださった皆さんのことが、次々と思い出されます。
来年も、お一人ずつとの時間を大切に。稽古、研鑽を淡々と。命の向かう先へのびやかに。
そんな一年になれば幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

だるま園「大人も子どもも育つバランス」 ご報告

12月16日、「大人も子どもも育つバランス」と題して、だるま園に小関勲先生をお招きしました。

小関先生と出会わなければ、だるま園のような、大人と子どもが学びあう場を開こうなんて、思いもしなかったでしょう。
そんな恩師を招いた日。

子どもは会場に入るなり、バランスボードやけん玉で遊ぶ(そしてすぐ飽きる)という、まっとうな過ごし方を。

前半は小関先生にお願いし、ヒモトレなどで、体との「距離感」、体の「色合い」の変化をみていく時間となりました。
近すぎると嫌な相手(体)も、離れて眺めると、そう悪くなかったり。
遠目で見ていると怖かった相手が、近づくと好ましくなったり。そんな「距離感」をヒモトレで経験し。

また、ヒモにあずけて動くにしても、ヒモの輪を「○」にしておくか「8」にしておくかで、
連動のしかた(色合い)が変わることを経験しました。
何度となく聴いてきた小関先生のお話も、今回はまた印象に残るところが違い、
そんな自分の変化も含めて面白かったです。小関先生ヒモトレ

後半は中西から。
・お尻歩きで「座っている」と「座れている」の違いに気づく
・脚の動きが気になる状況での、上半身のあり方に気づく
・しゃがめる人の「座る」を、体で知る
・「座れる」ようになった自分を楽しむ
などをお伝えしました。

たぶん運動だけでも、最終的には「座れる」を経験できるのですけど、ヒモトレをまじえてお伝えすると、
「それまで思い描いていた自分」と「本当はできてしまう自分」のギャップが楽しく、
小関先生のおっしゃる「距離感」を知るにはもってこいだと、あらためて。

そして最後に、「だるまさんがころんだ」や「足音なく着地」での、体のまとまりを確かめました。
ヒモトレ経験のある方にとっては、お腹ヒモのような感じです。
子どもに伝えるためにも、無自覚に子どもの邪魔をしないためにも、
大人が「ああ、この感じ!」という経験をしておくのは、価値があるように思います。

そんなわけでだるま園では、子どもの遊び経験ももちろんですが、大人の「遊びなおし」という事も、大切にしていきます。

あらためて、だるま園でしている事、これからしていく事の輪郭が、見えてきました。
これもご参加くださった皆さんのおかげ、小関先生のおかげ、辻さんのおかげ、(そして妻のおかげ)です。
感謝。

原始の火を灯す2018

『焚き火大全』(創森社 編著)、『縄文生活図鑑』『新版 民族楽器を作る』(創和出版)、『刃物大全』(ワールドフォトプレス 共著)などの著者、関根秀樹先生。

関根秀樹

大学での学生教育もされる中、「プロダクトデザイン科の学生でも、大学入学までナイフを使った経験がない」
「火をおこそうとすれば、太い薪をライターであぶり始める」などの現状を危惧し、
ワークショップなどの機会で、古来の技術や知恵を教えてくださっています。

著書を通じて知る関根先生は、とにかく古今東西の文化に精通し、実践的。
そして何度か先生をお招きしている、バランスからだ塾・安田さんから聞く関根先生像も、
知性と野生を兼ね備えた姿で、魅力的でした。

そんな憧れの先生が岡山に来られるとのことで、行ってきました「原始の火を灯す2018」。P_20181124_133305_1.jpg

今回は、
・薪割り
・ヒモギリ式火おこし
・竹で飯盒を作って炊飯
・竹を削って竹ナイフ作り


などを経験しましたが、何しろ関根先生のスケールが大きい!

ちょっと先生から目を離している間に、竹で楽器やスプーンを作っていたり、
火打ち石で着火していたり、ヌンチャクを振っていたり…(笑)

普段、合気道を稽古している参加者には、合気道の技をかけてくださったり(先生には全然かからない)、
小指一本で吹っ飛ばしてくださったり…(笑)

関根先生の行く先々で、どんどんワークショップが始まり、驚きと笑いが沸き起こっていました。
どんな質問にも、文化的背景を教えてくださり、さらに実演までしてみせる。
まるで宝箱をひっくり返したような経験でした。P_20181124_105921.jpg

皆さんも経験あるかもしれませんが、地面に近いところで火や刃物を扱っていると、
だんだん気が鎮まり、時が遡っていくような思いがします。
そしてワークショップを終え家に帰り着く頃には、心地よい疲れがあり、夜8時には倒れるように寝床につき、こんこんと眠りました。
(ああいう深い眠りは、他でなかなか経験しません)

知恵の伝承、自分のルーツを知る、いざという時の備え、外遊びの楽しさ…
人それぞれきっかけは違うでしょうけれど、火や刃物は適切に、身近にあると、暮らしが豊かになると思います。

高橋佳三先生講習会 ご報告

高橋佳三先生をお招きしての講習会、「スポーツパフォーマンスを高める古武術 ~選手の能力開花をたすけるヒント~」。
おかげさまで盛会のうちに終わりました。P_20181118_115853_1

選手・学生の指導や治療に携わる方々が、お集まりくださった一日。
6時間のうち、ほぼ5時間は動きっぱなし、1時間は質疑応答で成り立つという、理想的なかたちとなりました。
参加者の皆さまからの積極的な投げかけと、あらゆる質問に、体認を以って応えてくださる高橋先生のおかげです。

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このような講習会では「動きのコツ」「指導のコツ」といったHow toを求められがち。
しかし、高橋先生がそんな話をするわけもなく、

「走る」ためには「歩く」、「歩く」ためには「立つ」「座る」ができているのが前提。
「動ける」状態にした後、動かさないことで「働かせる」。
「支える」経験がないまま自分の体を支えるなんて、無理。
「集中すべきところに集中していたら、時間が経っていた・回数ができていた」という練習。
自分の普段歩く姿を、学生が見ている。

などの普遍的な事柄を、参加者それぞれが経験できるように、導いてくださりました。

内容自体もさることながら、先生が今回の内容に気づき、ご自分の体で練ってきた過程を思うと、
「学び方の学び」としても、為になる一日でした。P_20181118_125823_1.jpg

休憩中も、スポ.ラボの亀山顕太朗先生と野球の話をし続け、
懇親会でも、スポーツにおける「育成」と「選抜・淘汰」の違いなど話してくださった高橋先生。
ああ本当に、スポーツ、武術、人が好きなんだなぁと感じました。

高橋先生、ご参加の皆さま、よき一日をありがとうございました。
またご一緒できますように!