悲しみの涙とか、蕁麻疹とか。
家の子ども達が、それぞれの微調整を経て、春へ向かう姿。
見ている此方が開かれていく。
毎度、どちらが育てられていることか、と思う。

悲しみの涙とか、蕁麻疹とか。
家の子ども達が、それぞれの微調整を経て、春へ向かう姿。
見ている此方が開かれていく。
毎度、どちらが育てられていることか、と思う。
私がいかに私でしか居られないか、
と、
私がどれ程の繋がりを経てここに居るか。
それらが同時にあることを、お陰さまで観せてもらう一年でした。
有形無形で関わってくださった皆さま、ありがとうございました。
とある木版画家さんと出会い、丁度よいタイミングで看板を新調できました。
本来の「整体」へ礼を尽くしたく、新たな看板ではこの二文字を名乗らず、只「だるま堂」だけです。
幼少から文字や言葉に育まれ、その恩を感じてきました。けれど この機に、身についてない言葉や、慣習的に身につけた言葉は燃やし、それでもまだ自分から出てくる言葉を、待ってみます。
そして同じく、お越しくださる方々のことも、待てる場になれば。
という思いを抱きつつ、当たり前に腕のよさで選んでもらえるよう研鑽します。変わらぬご指導ご愛顧の程、お願いいたします。
「七十にして矩を踰えず(のりをこえず)」
『論語』の一節も、今は昔の話でしょうか。
たとえ偉人、達人から程遠くても、お仕着せのルールや道徳ではなく、自らの矩(のり)に恥じない生き方をしてみたい。
そんな皆さまに、朗報です。
この度の神戸招待講座では、身心の矩となる所作、作法、礼法について、甲野先生から習っていきます。
先生の何気ない所作から滲み出る、誠実さ、鋭さ、美しさ。
うっとり見惚れた人も少なくないはずです。
「いきなり武術を始めるのは、ちょっと…」という方も、甲野先生に習った所作、作法、礼法を、日々の暮らしに入れてみてはいかがでしょうか。
もちろん武術を稽古する方にとって、普通なかなか見せてもらえない今回のテーマは、学びの宝庫かと思います。
なお、ページ末に、甲野先生が39年前に書かれた文章「礼のこと」をご紹介します。
こちらを紹介できただけでも、私、今回は世話人の役目をほとんど果たせました。
【ご案内】
1.日時
2022年11月27日(日)
13:30~15:30 講座
15:30~16:00 書籍へのサインなど
2.会場
神戸市立 東灘区文化センター 和室
(JR神戸線 住吉駅 徒歩5分)
3.参加費
5,000円
(当日、会場にてお支払いください)
4.定員
18名
5.お申込み、お問合せ
だるま堂 中西まで
氏名、電話番号を明記の上、お申込みください
(電話)080-8716-4578
(メール)info@daruma7korobi8oki.com
6.これまでの神戸招待講座の様子↓
(2022年8月)https://daruma7korobi8oki.com/2022/08/20
(2022年5月)https://daruma7korobi8oki.com/2022/05/31
【甲野先生からのメッセージ】
39年前に書かれた小冊子『松聲』より
「礼のこと」
礼は古来から武の基本と言われている。
貨幣と共に、人間社会の重要な運転機能とも言える礼は、時代の流れの中でも、最も激しく、その表現を変化させてきた。
現代、身分制度もなくなり、それに伴って法律的強制力を持って固定化していた習慣形式としての礼がなくなってきているだけに、この”礼”は、その運用にあたっては個人個人のセンスと力量に委ねられており、かえって昔より難しくなったとも言える。
礼を、太刀を交えぬ立合とみて、武術そのものとして捉えると、動作、言葉遣い、雰囲気等のすべてが、その人間が、その時、その場所に於ける「在り方」にと”凝縮された”その人の力量そのものが、技となると言えよう。
丁寧な言葉、切りっ放しの言葉、念の入った挨拶、ただの会釈、それらがその時々によって自由に出、しかもそれによって相手がどの様な態度(怒り、賞賛、軽蔑など)に出ても、他人がどう言おうとも、それによって自己の心身の重心の位置を自分の納得のいく位置に置きつづけることが出来るとしたら、その人は変化流動して定めようのない礼の表現の世界から一歩奥に入った人間共通の応対の原理を把んだのであり、それはそのまま”武術に於ける応対”へとつながっている。
武術は本来礼の形式を叩き込むのではなく、各自の感性を育てて、その上でその育った感覚をその時々で端的に顕わす形を示すのであって、強制や嚇しによって教えるものではなかろう。その時、その場に於ける自らのふるまいに不自然さが少しもなく必然性すら感じさせるのが礼の原点であり究極でもあろう。
爽やかな心情を育てて、それをその場に応じた自然な心くばりのもとに顕わせば、何よりのもてなし、何よりの礼だろう。
ただ、省略した簡潔な礼ほどそれを支えるには十分に確かな力量が必要であり、それは、武術に於いて簡単な動きで済む技ほど派手な大技より余程精妙な感覚が身につかねば出来ないことと同じである。
人と人との間に直にかかわる礼は不可欠であるが、同時に虚偽を覆う衣装ともなる。
又、人と人との極限の応対状態そのものを扱う武術も、ひとつ誤まれば単なる殺人の技術となる。
古人は謂う『礼ハ道ノ華ニシテ乱ノ首(ハジメ)也』と、又曰、『兵ハ不祥ノ器』と。
礼も武もその運用のさせ方の真の把握は、これから先の人間社会に於いても、永遠の課題となるであろう。
世に言う「同調圧力」って、分かりやすく外から圧が掛かるのではなく、内から無自覚に生じて、場合によっては自分を、ひいては他を蝕むように見えています。
それは内に生じるからこそ、防ぐのが難しいんだろう、と。
おそらく、同調自体に良し悪しは無くて、その質と方向性によっては「好ましい」施術として成り立ったりします。
だとすれば、同調自体を問題視するよりも、それは生じるものと認めて、同調の質や方向性について「覚めている」在りようが肝心じゃないか。と、思い至りました。これを身を以て学べているのは、本当にありがたいです。
私自身が「触れる」という文化から受けた恩恵って、例えばこんな事です。
体の節一つに触れて、全体に及ぶ影響を観る、とか。互いの関係性を熟知した人に触れてもらうと、どんな現象が起きるのか、など。そのチャンスがあったおかげで、今ここに居るのが面白い。
この文化が続くように願います。
講師の関根秀樹先生から、11/6(日)のワークショップについてメッセージを頂きました。とても読みごたえがあり、今からもう面白いので、皆さま是非お読みください。
ぼくは小学生の時、怪獣以外は何も描かなかったので、図工の成績は2で、
図工と音楽は一番苦手できらいな科目でした。
高校の選択科目では、死んでも美術はやりたくないからしかたなく音楽を選びましたが、
楽器は何も弾けず楽譜は読めずで、成績は10段階評価の1!
それがなぜか今、大学で民族楽器の授業をし、多摩美術大学では日本画と油画の専門科目「絵の具実習」を担当しています。
油絵が生まれたのは15世紀のフランドル地方(ベルギー、オランダ)というのが定説ですが、
本当は6~7世紀のアフガニスタンやウズベキスタン~中国の仏教絵画が起源。
法隆寺や正倉院にも世界最古の油絵の一部が残っています。
ヨーロッパで板絵から亜麻のキャンバスに描くようになったのも、麻布に描いた唐や絹布に描いた宋、元、明などの影響。
フランドル地方は良質の亜麻の大産地だったので、繊維や布だけでなく、クルミ油の代わりに亜麻仁油が使われました。
絵の具とは、ごく簡単に言えば、色の粉(顔料)を接着剤で練ったもの。
水溶性のアラビアゴム(アカシアの仲間の樹液)で練れば水彩絵の具。
ロウ(と油)で練り固めればレオナルド・ダ・ヴィンチも作ったクレヨン。動物の皮や骨を煮詰めたニカワで練ったのが日本画。
油で練れば油絵。合成樹脂のアクリルならアクリル絵の具。卵で練った卵テンペラもあります。
日本画や文化財修復の世界では、「ニカワは60℃以下で湯煎しないと接着力がなくなる」と教えていますが、
これは昭和30年代に東京藝大の教授が言い始めた何の根拠もないデタラメ。
ニカワは90℃以上で煮て溶かさないとすぐに腐り、黒カビが生えます。
こうした美術の世界にはびこる常識という名のウソについてもお話ししましょう。
特殊な薬品を使った未来の絵の具の実験もします。
講師の関根秀樹先生から、11/5(土)のワークショップについてメッセージを頂きました。とても読みごたえがあり、今からもう面白いので、皆さま是非お読みください。
ここ数年、サバイバルやキャンプ、北欧発のブッシュクラフト(先住民の暮らしに学ぶ野外生活術)や焚き火が人気です。
喫茶店のマッチなどほとんど見なくなった一方で、
発火合金(ミッシュメタル、フェロセリウム)を使ったメタルマッチ(ファイヤースターターという言い方も)が100円ショップでも買える時代。
半世紀前の中学2年ごろ(1974年)、少年マガジン巻末の通販で買ったアメリカ陸軍特殊部隊御用達のマグネシウム付きメタルマッチは
1ドル300円の時代で2700円くらいしたはず。
火起こしの道具と言えば、小学5年の春、科学クラブで初めて教わったのは
塩素酸カリに黒砂糖を混ぜ、濃硫酸を1滴たらすと火柱が上がる実験。
学研の「5年の科学」という雑誌のふろくには太陽熱を集める凹面鏡の実験セットもあり、
氷でレンズを作って火を起こす実験もしました。古代中国でも道教の道士がやった方法です。
和光大学に入学したら、となりの学科に古代発火技術や原始技術史の岩城正夫先生がいて、
研究室には父の本棚で読んでいた板倉聖宣著『仮説実験授業』がありました。
非常勤講師で来た板倉先生からは、「仮説実験授業は、小学校からの親友の岩城君が学生時代に基本的な構想を作り、
ぼくが完成したんだよ」と聞かされました。
岩城先生の元で古代の火起こしを学び始めたのは1981年。工業デザイナー秋岡芳夫先生の書斎でブッシュクラフトや
グリーンウッドワーク(先住民や山村に伝わる生木木工)の洋書に出会ったのも同じ時期でした。
そして、学研の「科学」のふろくをデザインしたのが秋岡先生だったと知ったのも。
そして今、和光大学では「火と人間の文化史 縄文流ブッシュクラフト入門」で火起こしや古代技術、民族技術を伝え、
「音と楽器のミンゾク学」では古代楽器や民族楽器、現代美術のサウンドオブジェなどについて講義や実習をしています。
桑沢デザイン研究所では秋岡先生が担当していた「生活デザイン学」の後継として
「プロダクトデザイン論 手で考える道具と技術」で、木を削ってスプーンや楽器を作り、ナイフの研ぎ方も教えています。
自分のナイフを持ったことがなく、スギと松の区別もつかず、木を削った経験もほとんどない人たちを相手に。
学生時代から40年、「火起こし世界チャンピオン」として、多くの雑誌や本やテレビで、
あるいは全国各地でのワークショップで、古代の火起こしや焚き火の技術・文化を紹介してきました。
「アイアム冒険少年」という番組でも火起こしを指導し、道具を供給しています。
しかし、残念なことに、近年流行りのブッシュクラフトは日本の農山村やアイヌ民族などにもともとあった文化を反映せず、
焚き火の組み方もリーンツーファイヤだのハンターズファイヤ、トラッパーズファイヤだの英語そのまま。
火口(ほくち)や焚き付けはティンダーだのキンドリングだのと呼ばれ、
削りかけ、削り花はフェザースティック。肥松や松ぶしをファットウッド。消し炭をチャークロスなどと呼ぶ始末。
足元の自分たちの文化の源泉もろくに知らずに輸入物、翻訳物だけをありがたがるブッシュクラフトなんて、
本来のブッシュクラフトの意味を理解していないとしか思えません。
刃物を使いこなすことと、火を起こし、火を焚くことは、人間の生活技術や文化の基本。
それに、そこから無限に広がるさまざまな楽しみの出発点です。
このワークショップでは、ナイフで木を削り、ものを作る楽しさや、
木と木をこすり合わせて自分の手で火を起こす楽しさを、初歩の初歩から体験します。
ただノウハウを学ぶ講座ではありません。五感を研ぎ澄ませて、手元や動き、姿勢をよく見て、感じてください。
生きること、学ぶこと、そして遊ぶことの達人、関根秀樹先生(和光大学、多摩美術大学講師)
この秋も神戸にお招きします!
11/5(土)は、野外で。
火起こしと焚き火、ちょこっと絵の具作りも。
11/6(日)は、屋内で。
土や草花で絵の具を作ります。なんと、未来の絵の具体験も!?
どちらか1日だけでも楽しんで頂ける内容です。
それでは、11/6(日)「土や草花で絵の具を作る」について。
◆内容
・土や草花での絵の具作り。
・美術の世界にはびこる「常識」という名のウソについて、こっそりご紹介。
・特殊な薬品を使った、未来の絵の具の実験も。
◆日時
11/6(日) 10:30~15:30(途中休憩あり)
◆会場
神戸市立東灘区文化センター 9階 陶工芸室
(〒658-0052 神戸市東灘区住吉東町5丁目1-16)※交通アクセス
◆参加費(1日あたり 道具レンタル・材料費込み)
大人 :8,000円
学生 :4,000円
小学生 :2,000円
未就学児:無料
◆定員
15名
◆お申込み
こちらのフォームから、参加希望日をお聞かせください。お子さまも参加の際は、年齢を書き添えて頂ければありがたいです。
◆必読!関根先生から、絵の具作りワークショップへのメッセージ
◆関根秀樹先生って、どんな人?(ほんとは、会ってみなくちゃ分かりません)
福島県生まれ。文系・理系・芸術系・身体系の多分野を気ままに往還するフリーの研究者&ライター。非常勤講師として和光大学では「火の人間史」と「音響人類学」、桑沢デザイン研究所では「手で考える道具と技術」、多摩美術大学では「絵具実習」を担当し、各地で多彩なワークショップを展開。『焚き火大全』『新版 民族楽器をつくる』『縄文人になる!』『刃物大全』『宮沢賢治キーワード図鑑』ほか数十冊の著書がある。「火起こし世界チャンピオン」「ぴよぴよヌンチャク奏者」などユニークな特技でも知られ、「タモリ倶楽部」や「スコラ坂本龍一音楽の学校」などにも出演している。
【過去のワークショップの様子】
2021年秋 神戸 「火起こしと焚き火、世界で一つだけのスプーン作り」
2020年秋 神戸 「古代の火を灯し、音を奏でる」
2020年春 神戸 「火と音をつくる」
生きること、学ぶこと、そして遊ぶことの達人、関根秀樹先生(和光大学、多摩美術大学講師)
この秋も神戸にお招きします!
11/5(土)は、野外で。
火起こしと焚き火、ちょこっと絵の具作りも。
11/6(日)は、屋内で。
土や草花で絵の具を作ります。なんと、未来の絵の具体験も!?
どちらか1日だけでも楽しんで頂ける内容です。
それでは、11/5(土)「火起こしと焚き火、ちょこっと絵の具作りも」について。
◆内容
・古代の火起こしの道具の仕組みと実際のコツ。
・火口(ほくち)と焚き付け、削り花(フェザースティック)作り。
・気候や植生など、地域の特色をふまえたブッシュクラフト。
◆日時
10/30(土) 10:30~15:30
◆会場
神戸市立自然の家
(神戸市灘区六甲山町中一里山1-1)※交通アクセス
◆参加費(1日あたり 道具レンタル・材料費込み)
大人 :8,000円
学生 :4,000円
小学生 :2,000円
未就学児:無料
◆定員
15名
◆お申込み
こちらのフォームから、参加希望日をお聞かせください。お子さまも参加の際は、年齢を書き添えて頂ければありがたいです。
◆関根秀樹先生って、どんな人?(ほんとは、会ってみなくちゃ分かりません)
福島県生まれ。文系・理系・芸術系・身体系の多分野を気ままに往還するフリーの研究者&ライター。非常勤講師として和光大学では「火の人間史」と「音響人類学」、桑沢デザイン研究所では「手で考える道具と技術」、多摩美術大学では「絵具実習」を担当し、各地で多彩なワークショップを展開。『焚き火大全』『新版 民族楽器をつくる』『縄文人になる!』『刃物大全』『宮沢賢治キーワード図鑑』ほか数十冊の著書がある。「火起こし世界チャンピオン」「ぴよぴよヌンチャク奏者」などユニークな特技でも知られ、「タモリ倶楽部」や「スコラ坂本龍一音楽の学校」などにも出演している。
【過去のワークショップの様子】
2021年秋 神戸 「火起こしと焚き火、世界で一つだけのスプーン作り」
2020年秋 神戸 「古代の火を灯し、音を奏でる」
2020年春 神戸 「火と音をつくる」
【紹介記事】
古代から未来へ。原始の火がつなぐもの。
縄文生活を再現する
ご参加くださった皆さま、ありがとうございました。
毎回が、一度きり。そのことに感じ入る講座でした。
「我が身に起こることは全て必然だ。」若き日の直観を、身体を通して納得するため、自分の内を掘っていらっしゃる甲野先生。
今回は「唯カイナ計ヲ遣う事ソ」の術理などを通じて、掘り進める道の一端を見せてくださいました。
ある参加者が寄せてくださった感想に、
「自分でもいろいろなことを試しながら、身体と人間についての再発見をしていきたいです」
とありました。
身体と人間を観る目を養っていく。そして出来るなら、身体と人間についての発見を次代へ繋いでいく。これらは間違いなく、人が生きる過程での「面白きこと」かと思います。
そして、その一歩一歩は、ひとまず「自分で試しながら」進めて行くしかないでしょう。
よい方角へ一歩を踏み出すためにも、もし武術に興味を持たれたら、カメカメ企画の各講座、韓氏意拳講習会などへ足を運ばれてはいかがでしょうか。
たとえ選ぶのが武術でなくても、甲野先生の姿が、それぞれの進む道を助けてくださると思います。
それでは、またご一緒できる機会を心待ちにしております。